山賊の娘ローニャ 第26話 「春の叫び<終>」 (アニメ)

                 
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「けだもの試合」の決着がつき、いつもの山賊暮らしが戻ってきた。石の広間には山賊たちの笑いがあふれ、騒がしく賑やかな光景は幸せに満ちていた。しかし、ローニャはすっかり弱ってベッドに横になったままのペールのことが心配でならなかった…

・山賊の娘ローニャ最終回。

・けだもの試合を経て、マッティスをボスに二つの山賊団を合併させて生まれた一つの強い山賊団。だけど、ビルクは山賊稼業を継がない意思を表明しており、ビルクと仲良しのローニャもそれに賛同。マッティスの代で山賊が終わるということを、終わらせるべきだという価値観までを含んで示唆される。

・スカッレ・ペールの老衰。受容出来ず、ひどく哀しむマッティス。かつてマッティスにもローニャのように子どもの頃があり、ペールにも若い頃があった。当たり前のことのようで、実際に映像として提示されてようやく実感できる部分もある。人の持つ他人への想像力なんてそんなものなのかもしれないと考えさせられた。

・春。ペールが死のうとも何が起きようとも春はかならず訪れる。マッティスは以前よりもはりきって山賊稼業に勤しむ。だが、その陰で泣く人間のことには触れられず、ビルクとローニャも二人きりの生活を楽しむために、再び砦から出てフィナーレ。

・このアニメがスタートする前、1話30分のTVアニメなら宮崎吾朗のポテンシャルに期待してみてもいいのではないかと思っていた自分が情けなくなってしまうような出来だったが、セルルック3DCGの違和感と稚拙なプロットの組み合わせは単なるクソアニメで片付けてしまうには惜しい独特の趣を醸していたところだけは評価したい。子ども向けのアニメとのことだが、むしろ忍耐強さに自信のある大人が鑑賞に臨んだ時に何かの発見が期待出来そうな修行アニメのように感じた。
                 
        

山賊の娘ローニャ 第25話 「ひとつの強い山賊団」 (アニメ)

                 
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ひとつの強い山賊団には、ひとりの強い頭。マッティスとボルカ、どちらが頭にふさわしいかを選ぶ決闘「けだもの試合」が始まった。リングのような大岩の上でにらみ合うマッティスとボルカ。その周りではマッティス山賊とボルカ山賊が互いに罵声を浴びせていた。マッティスの先制パンチに尻餅をつくボルカ。果たして試合の行方は…

・前半パートはマッティスとボルカ、どちらが頭にふさわしいかを決める闘い。ロッキー調のBGMが流れ、二人が最後まで戦い抜くところから、熱いものを描きたかったんだろうなあということが分かるが、実際に熱いものになっていたかというとそうでもなくて、かつてのジブリの劣化コピーのそのまた劣化コピーみたいなことを延々とやられるのが辛い。

・決闘に勝ったのはマッティス。拳で殴りあった二つの山賊団は夜の宴ではもう打ち解けていて、一つの山賊団としてまとまる。この男臭い体育会系のノリを何の疑いもなしに微笑ましく描いていたのには違和感があったが、将来を担う立場にあるビルクが自分は山賊をやらないと表明し、ローニャも人から奪いたくないという考えをはっきりさせており、折角出来上がった一つの強い山賊団もそう長く続かないことが示唆され、また続かない方が良いという作品からのメッセージでもあった。
                 
        

山賊の娘ローニャ 第24話 「決闘の朝」 (アニメ)

                 
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ローニャとビルクが戻ったマッティス城とボルカ砦は久々に喜びに包まれていた。しかし、森には沢山の兵隊がやってくるようになってしまい、2つの山賊団に分かれたままではやっていけないという危機感が生まれていた。ボルカと決闘をして自分が勝ち、山賊団を1つにまとめ上げると意気揚々語るマッティスに対し、ローニャは思いもよらぬ提案をする…

マッティスとボルカはこれからのことを考え2つの山賊団を一つにまとめることを決めるが、どちらがリーダーかで揉める。一方、ローニャはそもそも山賊自体をもうやめてカタギになった方がいいんじゃないかと提案する。それが出来ない社会から零れ落ちた人間が世の中にはいるということを描写せず、ローニャ(と女性)が真っ当である風にだけ演出する相変わらずの退屈さに辟易させられてしまった。
                 
        

山賊の娘ローニャ 第23話 「命はむだにできない」 (アニメ)

                 
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短い夏が終わり、秋がやってきた。すっかり紅葉した森に長く雨が降り、冷たい風が吹き、冬が目の前に近づいていた。にもかかわらず、ビルクは厳しい冬の到来を全く感じないかのように努めて明るくふるまう。そんなビルクをローニャは不安な眼差しで見つめる。

夏が終わり、秋が訪れ、冬の足音が近づいてきてもビルクはローニャと一緒の生活が終わることを受け入れられないのか、まだ夏であるように振る舞う。しかし、そんなビルクのやせ我慢もマッティスが訪ねてきてローニャとついに心を通わせるシーンを目にすると続かなかった。マッティスからの計らいでビルクもマッティスの城に歓迎してもらえることになるが、当初ビルクはそれを拒む。ローニャはビルクに意地を張らないで命を大切にしなさいと叱るが、ビルクからすればマッティス達にリンチされているわけで行きたくないのは当然だろう。トラウマになっててもおかしくないのだから。

でも、結局ビルクの心にローニャの言葉が響いたのか、ビルクも帰ることを決める。平和を実現するためには過去のことを気にしてはいけないのだ。そうだね。でも、暴行されたのがローニャだったら同じテーマとプロットで描写できるだろうか、とは思う。
                 
        

山賊の娘ローニャ 第22話 「これかぎりの夏」 (アニメ)

                 
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川で遊んでいて鳥女に襲われたローニャとビルクは、流木に隠れてうまく鳥女をやり過ごす。しかし次の瞬間その流木が滝をめがけて流れていく。必死に川の中でもがいた二人は何とかピンチを逃れようやくクマの洞に戻るが、そこには…

鳥女の襲撃から命からがら逃げ延びたローニャとビルクが洞窟に戻るとそこにはローニャの母ロヴィスがいた。久しぶりに会う母に対してこみ上げてくる感情を抑えきれず思い切り抱きつくローニャ。一方、それを見ていたビルクは苦虫を潰したような表情になり、態度を硬化させる。ローニャがいつか自分のそばからいなくなるかもしれないということと今の自分がローニャを厳しい自然の中で守っていけるのかという不安からなのだろうが、無理にローニャを連れ戻そうとしないロヴィスの母(女)としての包容力と対照的にビルクの未熟な人間線が浮き彫りにされてしまっていた。

ただ、ビルクがそれを自覚し、ローニャに対して冬になる前には砦に戻るようにした方がいいと言い切ったところは潔く、男らしさが演出されていて良い。自分はどうするのかといった問いかけにうまく答えることができないその少年の痩せっぽちな意地も含めて。
                 
        

山賊の娘ローニャ 第21話 「とどろく滝と鳥女」 (アニメ)

                 
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ローニャとビルクの前に山賊のひとりリル・クリッペンが現れた。ローニャは自分が城に戻ることを父マッティスが待っているのかクリッペンにたずねるが、実はマッティスがローニャのことを全く話してないことがわかりショックを受ける。

ローニャとビルクのもとに現れたマッティス山賊のクリッペンはロビスから預かったパンと早く戻って来るようにというメッセージをローニャに渡す。ローニャは母親が自分のことを心配してくれていたこととパンの差し入れを涙が出るほど喜び、心が揺らぐ。しかし、肝心のマッティスが未だに自分のことを無視し続けていることを聞き、意地を張り続けることを決める。それを複雑な表情で見ていたのはビルク。ローニャが自分のもとを離れることへの不安と自分のところにはボルカ山賊が来ないことに屈辱を感じているのだろうか。

ローニャやビルクがいなくなったことでマッティス山賊は大きく変わってしまったとあり、山賊退治に大勢の兵が派遣されたことで山賊稼業が落ち目になるなど時代の移り変わりとローニャとビルクの関係性を比喩的に重ねていた回でもあった。鳥女に追いかけられるなか、ローニャとビルクが力を合わせて逃げるが、この一連の逃避行も今後の展開に繋がる大きな未来というものを示唆している。
                 
        

山賊の娘ローニャ 第20話 「野馬たちと」 (アニメ)

                 
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季節は春から夏になり、森は生き生きとした緑へと変化する。ローニャとビルクは助けた野馬の乳をしぼり、自分たちが名前をつけた野馬のアバレンボとムコウミズとたわむれて、森での夏を満喫していた。

そして季節は春から夏へ。
え? ローニャとビルクって何ヶ月を2人だけで過ごしたんだろう。すごいな。この逞しさは歴代のミヤザキアニメの中の子どもキャラクターの中でも抜けているのではないか。そうかと思っていると、ローニャが「持ってきたパンがもうすぐ切れるわ」と懸念を示す。一体、どれだけのパンを山賊砦から持ってきたんだ。そもそも、前回、食べるものが魚しかなくてイライラしながら喧嘩をしていた二人の姿は何だったんだというツッコミは野暮だろうか。

でも、一番の疑問はマッティスとボルカの山賊たちがこれだけ時間が経っても全く二人を探しに来ないことであったが、その疑問には今回のエピソードの最後にマッティス山賊のクリッペンがローニャとビルクの前に現れたことで回答がなされている。
                 
        

山賊の娘ローニャ 第19話 「なくなったナイフ」 (アニメ)

                 
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二人きりで森の暮らしを始めたローニャとビルク。川に行ってはサケを捕まえ、クマの洞に戻っては、斧で丸太を切ったり、ナイフで椀を削り出したりしていた。けれど3日目になると、サケを食べるのも椀をけずるのも、二人はうんざりしてしまった。

ビルクとローニャの洞窟生活は3日目にして早くも破綻を迎えようとする。

ナイフがなくなったことによるお互いの責任のなすりつけ合いが行われるが、その背景にあったのは厳しい自然環境の中でのサバイバル生活に対する疲れや、山賊砦から持ち寄った食材がなくなると貧しい食事を余儀なくされることなどからくる精神的余裕の無さ(ストレス)。

ホームシックも合わさってローニャはついにビルクの元を去るが、しかし最後は熊に自分の子どもを食べられた馬に寄り添うのをきっかけに二人は仲直りをする。このことはまた二人とも親元に帰ることを示唆しているが、一応はまだサバイバル生活を続けるようで、いやはや、なかなか逞しい。この逞しさ、魔女の宅急便を軽く凌駕するものなのではないでしょうか。ただ、魔女の宅急便が少女の独り立ちをどこまでも温かく肯定的に描いてるのに対して、この作品に貫かれる厳しさはある種のリアリティを演出することに成功している。

それにしても、如何にも英語を翻訳したというような文章をそのまま使う台詞回しはなんとかならないものか。
                 
        

山賊の娘ローニャ 第18話 「洞窟にひそむもの」 (アニメ)

                 
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城を出ること決意したローニャは、一人満月の輝く春の夜空の下を歩き、ビルクのいる「クマの洞」にたどり着いた。すやすやと寝息をたてて眠るビルクに対して、マッティス城のことを考えていたローニャはなかなか眠りにつくことができなかった。

ローニャとビルクの愛の洞窟同棲生活を延々と見せられる。食べているもののメインがパンとチーズなのは早晩この関係であり生活が破綻を迎えることを示唆している。洞窟での食事シーンはラピュタのオマージュを感じさせたが、ラピュタほど食事シーンがそそられないのは食べ物そのものの描写の差ではなく、やはりキャラクターの表情や躍動感に差があるからなのだろう。
                 
        

山賊の娘ローニャ 第17話 「ふたりの引っこし」 (アニメ)

                 
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地獄の口での対決の後、ローニャは毎日森に出かけたが、ビルクはやってこなかった。ビルクの様子がわからない中、ただ待つだけの日々を過ごすことはローニャにはとても辛いことだった。一方、父マッティスは、まるで別人のように憔悴しきっていた…

自分に反抗して自らボルカの人質になろうとしたローニャを許せず、俺には子どもがいないと吐き捨てるように言い放ったマッティスにローニャはひどく傷つく。だが、それはマッティスも同じで自分と娘の双方を受け入れられず、塞ぎこむ日々を送る。そんなマッティスの姿に影響された士気が落ち込む山賊たちだったが、役立たずの爺さんと思われたスカッレ・ペールが一喝し、山賊たちに気合を入れ直す。この辺の年寄りの扱い方には味があった。

一方、ローニャはビルクと過ごしたいあまりに家出をする。森で一夜を過ごす二人。これからやっていけるのか、厳しい冬はどうするのか、視聴者としても後先顧みない二人の行動に心配してしまうが、人生とは、とりわけ若者のそれはかくあるべきというのが作品のメッセージであるのかもしれない。それが春という季節で、心が通じている異性との二人の生活が一時でも送れるというのなら尚のことであるのだろう。
                 
        

山賊の娘ローニャ 第16話 「はてしない争い(後編)」 (アニメ)

                 
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城の大きな裂け目「地獄の口」でにらみ合うマッティス山賊とボルカ山賊たち。マッティスの側には、ひもで縛られたビルクの姿があった。息子をいますぐ返すように求めるボルカに、マッティスはなかなか首を縦にふろうとしない。その時、ローニャが…

男とはいえ小さな子どもが集団リンチされるという衝撃の展開に宮崎吾朗を見直した前回。
変わり果てたビルクの姿に激昂するボルカとウンディス。ローニャはというと、なんと自らボルカの人質となり、ビルクと同じように暴力を「罰」として受けることで事態の打開を図ろうとする。これにショックを受けて呆然と立ちすくむマッティス山賊達。結果的にはローニャの行動が実を結び、非暴力で事が済むこととなる。やっぱり宮崎吾朗でした。
                 
        

山賊の娘ローニャ 第15話 「はてしない争い(前編)」 (アニメ)

                 
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ボルカ山賊との争いで、矢をくらったストゥルカスがひどい怪我をしてしまう。日に日にボルカとマッティスの対立は激しさを増し、ローニャとビルクは不安を隠せずにいた。そんなある日、森で過ごしたローニャが城に帰るとそこには…

対立を深めるマッティス山賊とボルカ山賊。そんな大人の男たちを馬鹿馬鹿しく思いながらローニャは森でいつものようにビルクとの交流を楽しむ。そうだよ、争いを起こすのはいつも大人で更に云うと男なんだよ、さすが世界のミヤザキ。何の捻りもインテリジェンスも感じさせないぬるい話で直球勝負とフェミニスト並のこじつけ。お前このアニメ、子どもに見てもらいたいとか言ってるけどテレビの向こうのリアルの子どもを舐めているだろう? と思いつつ、冷めた目で展開を追っていたら、なんとなんとマッティス達がビルクを捕らえて集団で暴行を加える。すいません、まさかこんな衝撃な展開が待っているとは思っていませんでした。さすが世界のミヤザキです。
                 
        

山賊の娘ローニャ 第14話 「すばらしい春に」 (アニメ)

                 
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マッティス城をとりまく森にようやく春が訪れた。久しぶりに森で再会したローニャとビルクは、穏やかな春を満喫しながら自分たちの野馬を捕まえようと奮闘する。ようやく捕まえた野馬に二人は「アバレンボ」と「ムコウミズ」と名前をつける。

待ち望んだ春に浸るローニャとビルク。一方、マッティスとボルカの対立は暴力を伴う深刻な争いを産んでしまう。ローニャとビルクの間にも暗雲が立ち込めて、やっとこさロミオとジュリエット的な展開になるのだろうか。
                 
        

山賊の娘ローニャ 第13話 「あわれな山賊たち」 (アニメ)

                 
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厳しい寒さがようやく和らいできたある日、マッティス山賊たちにロヴィスの厳格な号令が飛んだ。冬の間ため込んだ汚れを落とすため、裸になって次々と雪の中に飛び込めというのだ。山賊たちは抵抗するが…

不潔なマッティス山賊たちをロヴィス(女将さん)が裸にひん剥いて洗い物を始める。山賊たちは代わりの服をあてがわれるが、その中に女物の服があり、それを着ているところ(女装)をマッティスとローニャに大笑いされてしまう。

リベラル気取っててもこういうポリティカル・コレクトネスに反した表現をオブラートに包まずに平気でやってのけるところはさすが宮崎駿の息子である。マッチョな男たちの田舎な世界で女装は笑われて当たり前であるとか、マッティスとローニャが如何に無教養で傲慢であり人として素直であるかや、あるいは山賊砦での生活は女装を笑うぐらいしか娯楽がないということなどをあえて示しているのかもしれないが。
                 
        

山賊の娘ローニャ 第12話 「地下室の口笛」 (アニメ)

                 
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ビルクに会いたい一心で、地下通路を塞いでいる石をどかし続けたローニャ。ついに石の壁の向こう側から、ビルクの口笛が聞こえてきた。再会を喜び合う二人だったが、ローニャはビルクがひどくやせていることに気づく。

地下通路での作業の甲斐あってかローニャはビルクとの再会を果たす。だが、そこで見たビルクは空腹のために痩せていた。そんなビルクのために何の躊躇いもなく自分のパンを分け与えるローニャ。そこまでビルクのことを……と勘違いしてしまいそうな心の汚れた大人の視聴者に向けて、勘違いしないで欲しいんだけどこれはあくまで兄弟の愛、つまり友愛なんだというメッセージがわざわざ発せられていた。中身スカスカなのにそういう説教臭さだけはやたら強いところ、流石宮崎吾朗である。
                 
        

山賊の娘ローニャ 第11話 「こっそりやること」 (アニメ)

                 
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森でビルクに助けられた翌朝、ローニャは高熱を発して倒れてしまい、3日もの間ベッドで寝て過ごすことになる。その間も、ローニャはビルクのことが頭から離れず、ビルクと一緒にいたいと思うのだった。

雪でのことが影響してローニャは高熱にうなされることとなり、数日間をベッドの上で過ごすことになる。その間もビルクのことが頭から離れなかったローニャは、快復するとビルクに会うために皆には内緒でビルクに会うために城の地下室を塞いでいる石をどかす作業を来る日も来る日も続けるようになる。

病は恋の隠喩で、親に内緒で好きな男の子に会うために必死になるというプロットもベタなんだが、ローニャを視ている層はこういうのを求めているんだろうか、とは思った。山賊のボスの娘で箱入りだったという設定から、結局はちょっとアレンジを加えたお姫様と王子様の物語でしかなくなってしまうとは……。
                 
        

山賊の娘ローニャ 第10話 「きょうだいの誓い」 (アニメ)

                 
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スキーの練習中に雪の穴に足がはまり、抜けなくなってしまったローニャ。雪が降ってくる前になんとかしなければと焦るが、ローニャの前に現れたのは鳥女だった。鳥女は鋭い爪でローニャをつかみ、穴から引き抜こうとするが…

ローニャ、雪穴にはまり動けなくなる。

このままでは凍死してしまうという絶望的な状況に焦るが自身の力ではどうにもできない。更にそこに鳥女までやってきて、泣きっ面に蜂でローニャを脅す。トラウマレベルで自らの生命の危機を感じ取るローニャ。そんな彼女を救ったのは父親、ではなくビルクだった。ヒーローとして颯爽と現れた彼は、相変わらずのいやみを言いながらもローニャを助けてみせる。ローニャ、ビルクに惚れて、私から離れないでとなる。更にきょうだいの誓いまで。川崎ヒロユキってどのへんで仕事してるんだろうと思っていたが、このへんなんだろうか。

ローニャはもう立派な女の子で、今の彼女を暖めてあげることができるのは父親ではなく、ビルクという男の子なんだね、というところはしっかりと伝わってくるエピソードだった。
                 
        

山賊の娘ローニャ 第9話 「ぬけられない雪の穴」 (アニメ)

                 
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すっかり雪景色に覆われたマッティス森。山賊たちは雪かきと水くみに追われるつらい毎日を送っていた。ローニャはスキーの練習に明け暮れる楽しい日々を過ごしていたが、ある日、急斜面を降りるときに転んでしまい…

前回、冬支度はバケーションへの準備で楽しそうと書いたが、案外そうでもなく、冬はやることが雪かきしかなく、山賊の仕事もあがったりで、食べるものも粗末になり、陰鬱な気分になるようだ。ただ、言ってるそばからハッスルして雪合戦に勤しむなど、冬は冬の楽しみがやはりあるようだ。

ローニャも雪の中でスキーの練習を楽しんでいたが、転んでしまい、雪穴にはまってしまう……。で、自分思うんだけど、やっぱりここまでで前半パートだと思うんだ、普通のアニメだったら密度的に……。ところが、このアニメはそれで25分程度の尺を使う。雑誌掲載分に追いついてしまうからと引き伸ばしをしまくった昔のテレビアニメ版ドラゴンボールを彷彿とさせるのだが、なにかそうしなければならない重大な理由が存在するのだろうか。
                 
        

山賊の娘ローニャ 第8話 「深まる森の秋」 (アニメ)

                 
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マッティスは、ボルカを城の北側から追い出そうと、あの手この手を尽くすが、中々うまくいかない。そんな大人たちの様子を横目でみながら、森へ出かけるローニャ。秋は深まり、森には冬が訪れようとしていた。

・ボルカ山賊を追い出そうとするマッティスだったが、なかなかうまくいかない。ただ、ボルカ山賊がマッティスより賢いからというよりはマッティスが勝手に自滅していくだけなので、映像的にどうなっているのかわかりづらい。

・森は秋が深まり、冬が訪れようとしていた。そんな状況を切なげに見つめながら唐突にそういえばビルクと全然会ってないことを考えだすローニャ。

・城の中で行われる冬支度は山賊にとってバケーションの準備になるのか、どことなく楽しそうではあった。

・自然の中での晴耕雨読的な生活の素晴らしさを人間本来のありかたとしてアピールするにしてもやっぱりもう少し描きこんで欲しいところ。行間ともいえない、余白の大きさがどうしても気になってしまう。
                 
        

山賊の娘ローニャ 第7話 「霧の中の歌声」 (アニメ)

                 
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ある日、森へ出かけたローニャは、思いがけずビルクに出会う。言い争ううち、二人はいつしか濃い霧に包まれてしまった。深い霧の中で迷う二人の耳に、甘く美しい歌声が響く。歌声に誘われ、森の中へ進もうとするローニャをビルクは必死に食い止めようとするが…

・まだ無垢な子どものローニャは、よくも悪くも素直で、獣のような存在であることが描写されており、、森の幻影に囚われ、助けようとしたビルクを引っ掻いたり噛み付いたりするローニャのこの獣のような所作が山賊について何も知らないローニャの世界観の狭さとそうさせている親の言うことに素直に従うしかない子どもという身分に重ねられていた。

・ビルクのことを個人的な理由もなく忌み嫌っていたのはまさに親の価値観をそのまま受け継いでいたからであったが、今回の話では、森での出来事を通して少しだけ距離を縮めたローニャとビルクの姿から、父親に対して山賊について問い詰めるローニャの姿に繋がっており、それに対してマッティスが本当のこと(大人であるということ)についてを話すまでの展開がなかなか趣深くて良かった。

・娘を失望させないようにと必死に取り繕うマッティスの姿もメタファーが効いていて愉快だが、それに対して容赦なくツッコミを入れる爺さんの意地悪さも面白い。こういう毒がこのアニメに出てきたことで、今後に期待が出来る。
                 
    
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