無彩限のファントム・ワールド 第13話 永遠のファントム・ワールド (アニメ)

                 
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エニグマに能力を奪われた晴彦。そのエニグマは母の身体を捨て、逃げてしまった。
眠って起きない母。母の再婚相手。様子のおかしくなってしまったルル……。
小糸がエニグマの痕跡を辿るも、エニグマの居場所を見つけ出すことができない。
そんな時、ようやく阿頼耶識社で拾った謎のデバイスの修理が完了する。そのデバイスの中に隠されていたものとは……。

このアニメもとうとう最終回。晴彦が失われた力を取り戻してエニグマを倒すまでの過程と母が再婚相手も好きだけど晴彦のことも忘れたことはなかったという感動的でありながらもしょうもないエピソードを見せられて、このアニメって本当に晴彦が主人公だったんだと気付かされた。結局、舞先輩の記憶が改竄されていた事の伏線は回収されず、俺はファントムがいるこの世界が結構好きだとお茶を濁されて終わる。

終わってみれば第一話で舞先輩がリンボーダンスやっておっぱい揺らしてた頃がピークだったというお粗末な出来で、自分が今まで見てきた京アニの作品で一番つまらない作品だと評価せざるを得ないのが残念でならないのだが、90年代のアニメのようにヒロイン(女)が平気で主人公(おとこ)に対して容赦のない暴力を振るったりステレオタイプな家族関係へのコンプレックスをノスタルジックに演出し続けたことなどによる、見違えるほどアップグレードされた世界と「ほとんど」変わらない人間とのコントラストは興味深かった。それだけにもっとプロットやディテールに凝ってクオリティを高めてくれれば化けたのかもしれないのに惜しいなあ……と考えてしまう。
                 
        

無彩限のファントム・ワールド 第12話 母は帰りぬ (アニメ)

                 
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今やホセア学院でも一目置かれる存在となった晴彦たち。昔のダメチームが嘘のように、輝かしい成果をあげていた。そんな中、街では晴彦たちと同じ特異能力者が次々と襲われる事件が発生する。しかも襲われた能力者は、その能力が失われるという。
安全を期しての集団下校中、晴彦たちにビーチエンジェルズの悲鳴が響いてくる。慌てて駆けつけた晴彦たちの目の前に現れたファントムは……。

晴彦たちのチームはすっかり一目置かれる存在になっていた。一方、巷ではエニグマと呼ばれる特異能力者から能力を奪ってしまう存在が噂されるようになる。

前回、ちびっ子になって家族愛に飢えていることが描写されていた晴彦。今回は幼い頃、晴彦を捨てて新しい旦那のもとへ走った母が目の前に現れ、晴彦は戸惑いながらも母への愛情に抗えず同居を求める。夢見ていた母との温かい生活を送り、心が満たされていく晴彦だったが、実は母はエニグマに操られて晴彦に接近していたのだった。そのエニグマにとうとう晴彦までが能力を奪われてしまうということと本当の母親の心は晴彦から見たら他人である旦那のもとにあったままで晴彦のところにはなかったという二重のショックと切なさで締められていた。

なんだか一気にシリアスになってきたけど、次回最終話だし、エニグマとかいうチート能力満載の真ボスみたいなのを今更もってこられても……と視聴者的に思ってしまうのだが。この出来では二期目はほぼないだろうしなあ。今回久しぶりに登場していたが、ビーチエンジェルスなどのモブキャラをもっとうまく使って物語の世界全体に奥行きと幅を持たせて欲しかった……。
                 
        

無彩限のファントム・ワールド 第11話 ちびっ子晴彦くん (アニメ)

                 
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夜、阿頼耶識社で拾った謎のデバイスを修理していた晴彦。修理道具を探そうとクローゼットの中を漁っていると、小学生の頃に書いた作文が出てくる。こんなことを書いていたんだな……と過去を懐かしんだのち、晴彦は眠りについた。
翌朝、起きたらなんと体が小さくなっていた!?
身体も記憶も小学生になった晴彦。小学生のままホセア学院に登校するが……。

小学生になっちゃった晴彦(主人公)くんがお母さん代わりの舞先輩と同居するというおねショタな回。舞先輩の母性と胸の大きさがリンクした演出をふんだんに用いてくるかと思いきや、そこらへんは控えめ。

晴彦は実は家族の愛情に飢えていたということが描写されるが次回以降の伏線となってくるのだろうか。って、もう11話だし、そろそろこのアニメ終わる頃合いのはず。とりあえず、舞先輩が晴彦のことを大好きだということはよく伝わってきた。
                 
        

無彩限のファントム・ワールド 第10話 小さいルルの大きな夢 (アニメ)

                 
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妖精型ファントム・ルル。彼女の願いは、夏祭りでラムネを一本まるまる飲みきること。でも小さな身体ではそれも叶わない。そんな時出会った、魔女ファントム。彼女がファントムの願いを叶えて回っているという話を聞き、ルルは自分を大きくしてほしいと願った。
念願の人間と同じ大きさを手に入れたルルは、ホセア学院に転校生として入り込むことになるが……。

マスコット的存在としていつも晴彦と一緒にいた手のひらサイズのファントム・ルルにスポットが当てられた回。夏祭りでラムネを一本飲みきるために魔女にお願いして人間と同じ大きさにしてもらう今回のエピソードでは、人間という存在そのもの自体の中に当たり前のようにファントムが紛れ込んでいる可能性が更に強調されていた。それが主人公たちの行うファントム退治とはまた違った、ファントムの救済によるものというのは皮肉が効いており、寓話的でもある。

残念なのはどうしてルルがラムネを飲みきるためにそこまでしたのかということについての掘り下げがなかったことだが、ラムネを飲むということにそこまで大きな理由はないということなのかもしれない……。
                 
        

無彩限のファントム・ワールド 第9話 幕末ファントム異聞 (アニメ)

                 
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今度の依頼は、廃部寸前の演劇部の助っ人。
部員数一名。このままではコンクールに出ることができないホセア学院演劇部の助っ人を頼まれた晴彦たち。唯一の部員・北島亜弓が考えたシナリオを手に、新撰組の芝居の練習を始める。
だがその時、小糸が演劇部内にファントムの気配を感じ取る……。

廃部寸前の演劇部を救うために依頼を受けた主人公たちが立ち上がる。だが、依頼主である北島亜弓はファントムだった。というプロットになっていて、精神世界チックではあるものの、ファントムとの共生という人間社会の未来が示唆的に描かれている。メタフィクション的な演出や記憶を改変することでファントムが人間として社会に紛れ込むというネタは今後のエピソードのオチに大きく関わってきそうな要素にも思えたが、どうか。

以前のエピソードで舞先輩の記憶が改変されているような描写があったが、意外と舞先輩かその身近な人物がファントムだったりして。もしくは特異能力者という存在自体が極めてファントム的であるとか。
                 
        

無彩限のファントム・ワールド 第8話 猿温泉を突破せよ! (アニメ)

                 
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今度の依頼は、エッチな大猿ファントム退治!
暑い夏の日。あまりの暑さに晴彦たちが顔をしかめる中、教室にルルが飛び込んでくる。ルルに言われるがままに中庭を覗くと、なんとそこに温泉が湧いていた!?
しかも温泉には大勢の猿ファントムたちがいて、晴彦たちは何とか猿ファントムを退治して温泉化を止めようとするが、ファントムの魔の手は可愛い女子に……。

何の脈絡もなく突如として校庭に現れた巨大温泉と猿のファントム。退治するためにヒロインたちがスク水着用でケツを振って挑発したりとちょっとマニアックだが久しぶりのお色気満載の回。後は京アニ渾身のエロにエロスを感じるかどうか……。学園モノのファンタジー系コメディとしては今までのエピソードと比べるとノリが良くて王道的な作りにはなっていた。

そういえば今回はモブキャラが沢山出てきて、主人公たち能力者と同様に特異能力を発動させてファントムに挑んでいたことで、ここはそういう学園なんだと改めて思わされた。主人公を含め、能力にそれぞれユニークさがあっても一人は所詮同じように多数存在する中の一人でしかないんだなと。
                 
        

無彩限のファントム・ワールド 第7話 シュレーディンガーの猫屋敷 (アニメ)

                 
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今度の依頼は、行方不明の猫の捜索。
晴れた良い日。あまりに気持ちの良い快晴に、誰もがだらけていた。だらけるどころか、あちこちで丸くなってゴロゴロ、ゴロゴロ……まるで猫みたい。
そこに舞い込んできた、迷い猫捜索依頼。だらけた気持ちをしゃんとさせ、何とか迷い猫を見つけようと動き出すが……。

人は猫になる。って猫の耳と尾っぽつけたかっただけちゃうんかい。

今回のエピソードのキーワードとなるシュレーディンガーの猫が全然伏線として機能してないし、哲学的でもなかったが、自分たちの想いの力で生と死、二つの状態の可能性が半々であるところから、より望ましい(と思われる)現在と未来を強引に引き出してみせるという本作の作風に合った若者向けの明るさが眩かった。
                 
        

無彩限のファントム・ワールド 第6話 久瑠美とぬいぐるみ王国 (アニメ)

                 
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熊枕久瑠美。小学四年生。特異能力者。フロントツインテール。好きなもの――クマ。
クマを愛して止まない臆病な少女が雨の日に迷い込んだのは、ぬいぐるみの世界。
共に迷い込んだ晴彦、ルルと一緒に、三人は謎のクマのぬいぐるみ集団に襲われる。
万事休すかと思われたその時、久瑠美たちを守るように現れたのは……。

ロリでぬいぐるみをいつも抱っこしてる久瑠美ちゃんがヒロインの回。すっかりお馴染みとなった深層心理の中の世界に入って久瑠美の抱えるコンプレックスと向き合うというプロットで、全体的には凡庸な出来なのだが、最後にコンプレックスを少し乗り越えた久瑠美がなおもぬいぐるみを抱き続けるというオチになっているところは面白かった。
                 
        

無彩限のファントム・ワールド 第5話 特異能力が使えない! (アニメ)

                 
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飼育小屋を襲い小動物の命を奪い去る凶悪なファントムが出現。依頼を受けた水無瀬小糸は独り、そのファントムを倒しに向かう。そこにいたのは、ウサギの世話をする小学生・熊枕久瑠美。そして二人の前に現れる、三つ首ファントム。
百戦錬磨である水無瀬小糸がそれを退治しようと立ち向かうも、ファントムの吐き出した毒霧を浴びてしまう……。

何か重いものを抱えているような孤高の小糸を放っておけず、晴彦は一時的にパートナーを舞先輩から小糸に乗り替える。小糸に靡いた晴彦の姿を見て、嫉妬する舞。ああ、やっぱりそうなんだ、と思わせるぐらいしか感想の出てこないこのアニメ、大丈夫なんだろうか。

小糸がアーと歌声のようなシャウトを発しながらファントムを攻撃するシーンは何ともシュール。
                 
        

無彩限のファントム・ワールド 第4話 模造家族 (アニメ)

                 
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いつものように、ファントム退治の報酬で食べ放題を満喫していた和泉玲奈。
『脳機能エラー対策室』に入って以前より充実した毎日を送っていたが、皆と別れた彼女の心に影を落とすのは、家族の事。厳しい両親に、家出した姉。
帰りのバスが到着し、顔を上げ乗り込む玲奈。しかしそれはいつもと違う見慣れないバスで……。

前回の話で玲奈の影が薄いと思わせておいてからの玲奈フィーチャーの回。家庭環境に悩みを持つ玲奈はファントムの用意した安らぎのある理想の家族というシチュエーションにのめり込んでいく。現実の冷たい家族か、幻想の温かい家族かという葛藤はティーンエイジャーの視聴者に訴えかけるものがあったのではないだろうか。シンプルでベタなメッセージだが、作品の世界観とうまくマッチさせたエピソードになっていて良かったと思う。しかし、年を取った自分としてはシナリオ重視になった一方で、お色気要素がなくなってしまっていたのが気になった。
                 
        

無彩限のファントム・ワールド 第3話 記憶コピペ作戦 (アニメ)

                 
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今度の退治依頼は……弁慶ファントム?
逢魔が時に、橋を通せんぼするファントムを退治してくれと頼まれた晴彦たち。目的の橋に到着した時、川神舞はその場所に懐かしい既視感を憶えた。
現われた格闘を得意とするファントムに、舞が意気揚々と前に出る。しかしそのファントムの狙いは、初めから舞だった――。

今回の標的である弁慶ファントムは舞先輩が幼い頃に交流したことのある存在だった。しかし、舞は記憶を改変されていてそのことを覚えていない、というのが今後に繋がる伏線ぽい感じになっていた。見どころは相変わらずおっぱいしかなく、主人公(晴彦)が舞の記憶を共有しようとする過程で模擬デートのようなものを行うなど2人だけの世界に入っていき、同じチームに入った玲奈の置いてけぼり感と影の薄さに拍車がかかる。作中で自虐されていたが、確かにこの2人のチームに入る人はそういないだろう……。
                 
        

無彩限のファントム・ワールド 第2話 迷惑UFOをやっつけろ! (アニメ)

                 
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次の依頼は、暴走する警備ロボットファントムの退治。
和泉玲奈をチームに加えて三人となった晴彦たちは、顧問の姫野アリスから依頼を受けて廃工場へと向かった。しかし先にそこで戦闘を行っていたのは、美しい歌声を響かせ戦う赤い髪の少女・水無瀬小糸だった……。

クールビューティタイプの小糸と共闘する。ノリは前回と変わらず、先輩のおっぱいが揺れるのとかヒロインたちのお風呂シーンとかが見どころ。しょうもないアニメだなあと思いつつ見るのだが、肝心なところでブレーキをかけて踏み込めない京アニらしい中途半端なエロがこの作品の表現力の弱さを象徴しているよう。
                 
        

無彩限のファントム・ワールド 第1話 ファントムの時代 (アニメ)

                 
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日々ファントムと戦う高校生・一条晴彦は、先輩の川神舞とチームを組んでファントム退治を行っていた。だが乱暴な舞と、それに振り回される運動神経ゼロの晴彦に、チームの成績は芳しくなく、〝ダメチーム〟と揶揄されていた。
なんとかチームを強くしようと晴彦が人材を探していた時、晴彦はファントムイーター・和泉玲奈と出会う。強力な能力を持つ彼女をチームに勧誘しようとするが……。

・京アニによる残念系学園ファンタジーアニメ。

・のっけから、モザイク多様のオープニングとビジュアル演出で目が疲れるが、すぐにモザイクはなくなる。このへんを伏線にしてメッセージ性をうまく載せれば面白くなりそうなんだけど。

・主人公達特異能力者がファントムと呼ばれる妖怪のような異形の存在を退治していく。ハーレム設定を徹底させて明るくした境界の彼方のような感じ。

・巨乳ヒロインのおっぱいがよく揺れる。ブルマがアピールされる。そういうアニメなんだと視聴者として理解を求められた第1話だった。

・現実と虚構の境目が曖昧になった舞台で現実のものとなった虚構の存在を退治することにやっきになる少年少女とそれをコントロールしようとする社会(学校や国家)という世界観や、運動神経ゼロのはずの主人公がコンプレックスを含め、そんなことを微塵程度にしか感じさせないところは、個人的に良かったと思うのでうまくこの後の展開に繋げて欲しい要素ではある。
                 
    
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