ピンポン 第5話「どこで間違えた?」 (アニメ)

                 
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インターハイで優勝したドラゴンはさらにユースオリンピックのシングルでも優勝し、凱旋帰国した。帰国後の記者会見でドラゴンは、はっきりと海王には月本選手レベルのプレーヤーが必要と語る。ドラゴンの発言は海王学園のチーム内に微妙なさざ波を巻き起こす。そのころ、チャイナやペコもそれぞれの時間を過ごしていた。穏やかな時間の中で二人の心の中に去来するものは何か。

アクマに負けたペコは卓球から遠ざかっていた。一方、小泉による指導を受け入れることにしたスマイルは猛練習の日々を送る。片瀬のエースは既にペコではなく、スマイルになっていた。ドラゴンはインターハイとユースオリンピックのシングルスで栄冠を手にしていたが、団体戦では涙を呑む結果となり、海王が常勝であり続けるためにはスマイルのような高いレベルの選手がどうしても必要だという考えをますます強める。しかし、スマイルへの執念で他の部員のことが目に入らなくなったドラゴンに海王の他の部員は複雑な表情を浮かべる。チーム内に不協和音が響き始めたのは海王だけでなく、師弟としての結びつきを強めた小泉とスマイルにより、全てがスマイルのためのチームに変えられた片瀬もそうであった。スマイルだけが1軍でそれ以外が2軍という現状に他の部員は居心地の悪さを顕にし始めていた。

それぞれ複雑なチーム事情を抱える中、ドラゴンのスマイルへの想いが納得出来ないアクマは個人的な対外試合を禁止する部の規則に逆らい、スマイルと戦うために練習をサボって単身片瀬へと乗り込む。幼い頃から誰にも負けないほど卓球に情熱を注いできたアクマ。ドラゴンの心がスマイルに支配され、自分のことを見てくれないことへの嫉妬か、あるいはチームの中で風間のスマイルへの想いにうんざりしている空気があり、その空気が突き動かした鉄砲玉としてか、アクマはスマイルと戦う。

しかし、まるで予定調和のようにアクマは見事なまでにスマイルに屈する。お前よりずっと努力しているのになぜなんだというアクマの悲痛な叫びに才能がないからだと冷たく返すスマイル。そのやりとりを寂しそうに見つめるペコ。このアニメのテーマである努力と才能のせめぎ合いが今までのエピソードの積み重ねによる集大成的に描かれた他、勝利至上主義と実力主義が生み出す軋轢や和の乱れというものも演出しており、比喩的に社会をそのまま写していた。圧倒的な才能に立ち向かっていくアクマがその実誰よりもドラゴンという最強の存在を慕って、その後ろにつき従うというのも皮肉が効いていて、だからこそ彼の悔しさがよく伝わってくる。彼はスマイルではなく、自分こそがドラゴンになれるとスマイルと戦うその直前まで信じていたのかもしれない。その滑稽さが切ない回であった。そしてその滑稽さが今回もまたペコに重ねられている。
                 

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