ファイト・クラブ (映画)

                 
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不眠症に悩む若きエリートのジャック。彼の空虚な生活は謎の男、タイラーと出会ってから一変する。自宅が火事になり、焼け出されたジャックはタイラーの家へ居候することに。「お互いに殴り合う」というファイトにはまっていく二人のもとに、ファイト目当ての男たちが集いあうようになる。そして秘密組織"ファイト・クラブ"がつくられた!

(引用 amazon ファイト・クラブ [DVD]

1999年のアメリカ映画。監督デヴィッド・フィンチャー。

全米を飛び回って仕事をばりばりとこなすそこそこエリートの会社員がタイラーという謎の男に出会って、その空虚な生活が一変するというストーリー。

主人公である「僕」とタイラーの関係性を軸にしており、高度に発達した資本主義とそれが齎す物質と情報の波に溺れながら日々を過ごす現代人を不眠症と描写し、他人の不幸に心を痛めることでようやく癒やしを得るという滑稽な存在に例えている。典型的な現代人である「僕」は、タイラーに促されるままにファイトクラブという殴り合いのゲームに参加すると、そこで行使される暴力とそれによって得られる本物の痛みによって生きている実感を取り戻していく。しかし、やがてファイトクラブは秩序の破壊を目的としたテロ組織へと変貌を遂げることになり、「僕」はタイラーの秘密とその危険性に気づく。

単に現代社会への痛烈な批判だけではなく、その社会を批判し、破壊しようと目論むタイラーの側に対しても独善的な男性性に表し、きちんと批判を加えている。しかし、作品からは社会を構成する秩序の破壊と混沌の誕生に対しての渇望の方が上回って伝わってくる。それがタイラーを演じるブラッド・ピットの強い存在感とマッチしているし、どこまでも雄として暴力を振るいながら社会を変えていきたいという叫びが社会の弱者に共有されていく過程は、リベラルというものをシニカルに映し出しているようでもあった。誰の中にもタイラーはいる。だから、タイラーのような強いリーダーに惹かれるし、誰もがタイラーになる(危険な)可能性を秘めているというメッセージが込められた構成も絶妙だった。
                 

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