たまこラブストーリー (映画)

                 
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春。高校3年生に進級しても北白川たまこの頭の中は相変わらずおもちのことばかり。
春の夕暮れ、学校の帰り道。たまこやみどりたち仲良し4人組は進路の話をしていた。
みんな不安をかかえながらも将来のことをちゃんと考えている様子。
たまこも、何気なく、将来は家業を継ぐと答える。
同じ頃、たまことお向かいの家でずっと一緒に過ごしてきたもち蔵も、ある決心をしていた。
周りの色んなことが変わっていって、少しずつ、少しずつ、たまこの心は揺れ始める……。

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2014年の日本のアニメ映画。

2013年に放送されたテレビアニメシリーズの劇場版で、テレビアニメのその後を舞台に、それまではぼやかされていたたまこともち蔵の恋愛が具体的に描かれる。

イメージ的には『耳をすませば』に代表されるような恋をテーマにした淡い青春物語になっており、たまこともち蔵の二人の気持ちと運命が赤い糸で繋がっているという前提を視聴者と共有した上で、恋愛に純粋な二人がお互いとそして自分自身の気持ちの濃淡に対して整理がつかず、混乱し不安になる様を将来の進路というテーマに重ね、すれ違いで話を展開させていた。それがこの手の作品のお約束のように見ていてもどかしく、二人と二人を取り巻く世界の透明感のある色彩がとてもセンチメンタルでくすぐったい。そういうのが好きな人にはたまらない作品なのだろうと思ったし、そういう意味ではこの作品の狙いは成功していると感じた。

とはいえ、個人的には、今回の映画で描写された二人の将来はテレビアニメで十分に示唆されていたものだったし、蓋を開けてみればテレビアニメにあった日々のドタバタや様々な登場人物による狭い商店街で世界の広さを感じさせる複雑な思いの絡み合いが贅肉として削ぎ落とされていて、二人を中心としたやりとりだけに絞った冷たい作りになっており、やや趣が欠け、蛇足な印象でもあった。

ただ、南国のデラちゃん、今回の作品にはほとんどストーリーには絡んでこないのだが、普通、この手のメルヘンなファンタジー要素がウリだった作品の場合、デラちゃんなどの南国組との出会いを経て成長(変化)した部分を強調しがちなものだが、それが全くなく、その存在感の無さにオチがつけられているその茶目っ気は良かったし、そこからあえて深読みして南国組がたまこたちに齎した変化に想いを馳せることもできる。

後は、やっぱりたまこの親友のみどりちゃん。親友のたまこへの強い愛情とこだわりはそれもう同性愛について含みを持たせるほどだったが、最後はもち蔵とたまこの関係を後押しするキューピッド役になっており、彼女がどういう思いでそういう行動に出たのか、どういう気持ちで二人を見ていたのかという点は本作に奥行きを持たせていてそれが自分にとっては一番感動的で面白かった。一番変化を受け入れなくてはならなかったのは実はたまこではなく、みどりちゃんだったのかもしれない。
                 

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