サイゴンの昼下がり (横木安良夫)

                 
サイゴンの昼下がりサイゴンの昼下がり
もっとも若い世代は様変りしている。特にもともとの南ヴェトナムは、社会主義の時代より資本主義の時代が長く、アメリカに逃げたヴェトナム人、越僑も戻ってきている。だからアメリカが一番好きなのは当然だ。やはり人気の外国語は英語。そして世界中おなじようにアメリカンポップミュージックが人気だ。レンタルビデオで最新のアメリカ映画だって見ることができる。今ではマクドナルドだって進出している。ヴェトナムの文化がアメリカに支配されるのは、時間の問題だろう。

(引用 本書P181)

ベトナムについての紀行文と写真が掲載された本。1999年出版。
ベトナムについての歴史などに触れられているが、肩肘張ったものではなく、全共闘世代の著者の豊かな日本からの観光者という立場で、村上龍などに通ずる男としての俗な目線と感覚が素朴に押し出されている。写真もベトナムの日常のワンシーンを切り取ったものがあると思えば、モデルを雇って撮影したものもあり、あまり統一感がない。アオザイに透ける下着についての劣情やフェチシズムも隠すことなく率直に述べられており、その写真もふんだんに掲載されている。
ただ、やや気まぐれではあるし、ベトナムの風景を昭和の日本にノスタルジックに重ねるところも含め、ちょっとしたポルノにもなっているが、その分、親しみやすい一冊になっていると思う。

アオザイの透けブラ透けパンを堪能する写真集としてもどうぞ。

例えば撮影したのが外国人であり日本人であり、それぞれ日本の女子高生や女子中学生の姿を、制服のブラウスから透ける下着(ブラジャー)を少なからぬ度合いの目的として撮影し、その写真を掲載した本を出版するというケースだったらまた違った意味合いであり、展開が齎されるのだろうかとはちょっと考えた。

その野暮な懸念を笑い飛ばすかのように、古き良き日本が存在するベトナムの「おおらかさ」が凝縮されている。そのおおらかさが本当におおらかであるのかどうかは別の問題として、この本はそれが可能だった20世紀末の我が国のおおらかさの一つの証明ともいえるのかもしれない。

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