ヘルプマン!1巻

                 
ヘルプマン!(1) (イブニングKC)ヘルプマン!(1) (イブニングKC)

・介護保険制度編

・主人公、高校を中退して介護士となる。やめろ、高校は卒業しておけというツッコミは無粋。これはメタファーで、実際に高校を中退していなくとも、介護の現場で働いている人はどこかから流れてきた訳ありな人が多いのだろう。

・超高齢社会を迎え、介護保険制度が始まった頃に連載がスタートした漫画とのこと。介護業界を日本を救う成長産業と位置づけてバラ色の将来を夢見る存在と、そんな夢はとっくに醒めて辛い現実に向き合う介護従事者の対比にリアリティがあって面白い。

・人手不足は現在でも変わらず、受け皿の大きい業界だが、生産性が低く、価値を生み出すのが難しいので、どうしても限られた人員配置になってしまい、人を使い潰すように忙しく動きまわらせ続ける。本作は介護の現場の厳しさを伝え、ところかまわず糞尿を垂れ流し、しゃべる内容も理解が難しい認知症の高齢者相手に身を粉にしながらまるで工場のライン作業のように憂鬱なルーチンワークをこなす若者の姿が描かれているが、その一方で、激務の合間合間に利用者のことを考えた優しさをさりげなく挿入していく若者たちの姿も演出されており、それが感動を誘う。

・家族が面倒を見るのを放棄するほど壊れていく人たちの世話をみていくなかで、自分たちまで壊れていきそうになりながらも必死で抗おうとするその姿は、形はどうあれ、誰もが高齢者に向き合わなければならない日本社会そのものを表しているようだった。
                 

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