怪談の道 (小説 内田康夫)

                 
怪談の道 (角川文庫) 怪談の道 (角川文庫)
核燃料の取長で鳥取県を訪れた浅見光彦は、小泉八雲がかつて“地獄”と形容した宿で美人異父姉妹と出会った。浅見は二人に切実な相談を持ちかけられる。それは、妹の父親が突然の死を遂げた真相を究明することだった。録音テープに残された“カイダンの道”という謎の言葉を手がかりに、浅見は調査を開始するが、今度は姉の父親が何者かに殺害された!ふたつの事件に秘められた過去。浅見はやがて、三十年前に起きた悲劇に辿りつくが…。日本の風土を叙情溢れる筆致で描き、原発という現代の社会問題に鋭いメスを入れた文芸推理。

内田康夫の代表作、名探偵?浅見光彦シリーズ。

小泉八雲ゆかりの地で起こった怪事件に対して30代でソアラを乗り回すイケメンの独身貴族、ただし3流大学卒業で両親と兄夫婦と同居の居候状態というどこか抜けた肩書を持つところが人柄の良さやとらえどころのない不思議な魅力に現れていて読者や登場人物の心を掴んで離さない我らが浅見光彦が挑む。

浅見光彦といえば、僕なんかは実写ドラマで辰巳琢郎が演じているという記憶があるが、実際に小説を読んでみると、辰巳琢郎、まさにイメージぴったりという感じだった。それはさておき、本作では、昔の忌まわしき事件の亡霊が現代に甦って殺人事件を繰り返す、というホラー仕立てにしつつ、原発と人形峠のウラン残土という社会問題を絡めて物語が構成されている。この設定だけなぞると随分硬派なテーマを掲げていると感じるが、そこは2時間もののサスペンスドラマの原作としての高い実績を誇る本シリーズ。結局は、原発と学生運動から起きた男女関係のトラブルといったよく耳にするタイプの俗な展開に持っていくのだからさすがである。

ただ、放射能や原発の安全性やリスクが齎す様々な問題について、主人公の浅見光彦が原発推進派に対しても反対派に対しても耳を傾けた上で、中立でありたいと公平性を重んじた慎重な姿勢を貫き、それが犯人に対して振りかざした正義の刃を途中で収めて、曖昧模糊にすることで、必ずしも正義を押し通すことが周囲の人間を幸せにするわけではないという大人の結末に繋げているところは唸らされた。

ゲストヒロインとはいい仲になりそうで、結局距離をとるというのも浅見光彦の不器用な魅力が際立たせられていたし、赤川次郎などと違って中年男性の自尊心をくすぐって夢を見させるようなキャバクラ的ラブコメロマンスではないことが、作品に清潔感と透明感を与えているのも良い。
                 

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