モンキームーンの輝く夜に (たかのてるこ)

                 
モンキームーンの輝く夜に (幻冬舎文庫) モンキームーンの輝く夜に (幻冬舎文庫)
「私の運命のオトコが、なんでサル顔なわけ!?」。東南アジア最後の辺境ラオスで“旅人OL”が見つけた最愛の男は、サル顔の自然児だった。旅先でナンパされ、出会ったその日に告白されて…それでも本気でホレたから、“お持ち帰り”することに決めたのです!運命?勘違い?不安材料てんこ盛り。笑いと涙のハチャメチャ恋愛亡命記。

東映のテレビ番組制作部所属の30代独身女性である旅行好きの著者がラオスに行って年下の細マッチョな恋人を見つける話がメインの紀行文。

経済的には貧しいラオスの、しかし笑顔が溢れて幸福度指数の高さを伺わせるその牧歌的な魅力を、自分に対しても相手に対しても飾らない素直な文章で書き綴られている。気取ったところがない読みやすい文面からは多くの人を惹きつける著者の親しみやすさを感じ取ることができるものの、紙幅のほとんどがラオスで出会った恋人絡みの話しに割かれており、著者が折角ラオスの魅力をアピールしていても、読者としてはあばたもえくぼのように恋が目を曇らせているのではないかと邪推してしまうのが残念だった。逆に言えば、それだけ、主観的で等身大の感情が剥き出しにされている、という見方もでき、だからこそ共感できる読者もいるのだろう。

個人的には、自分が日本人だからきっと金目当てであったり日本へのビザ目当てでの接近だろうという疑いを全く持たず、日本に彼がいるのにあっけなくラオスの男にのめりこみ、挙句にはラオスの男女関係に対するうぶさ、貞操観念の高さを認識した上で、ヴァージンで「ピュア」な男を「自然のモノ」として持ち帰ることに何の恥ずかしさも感じていない著者の感覚には驚いた。これが日本の女とラオスの男ではなく、日本の男とラオスの女という設定だったら、「気持ち悪い」とか「人身売買だ」という類の批判を多く戴くことになるのではないだろうか。

ただ、2003年に出版されたことを考えると、ある意味では、韓流とかに近い、日本で今起きているヴァージニティーへの回帰を先取りしているうちの一冊ともいえるのかもしれない。
                 

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