ヘルプマン!7巻

                 
ヘルプマン!(7) (イブニングKC) ヘルプマン!(7) (イブニングKC)

・介護支援専門員編パート3。神埼達がビジネスライクでしか物を見ることが出来ない企業や融通の利かないお役所や硬直した制度に対して反旗を翻し、独立する。

・あくまでサービスを利用する高齢者とその家族の視点に立ち、困っている人達に寄り添い続ける神埼達のひたむきな想いはやがて彼らを取り巻く様々な障害を乗り越えていき、最後にはきちんと報われるというハッピーエンド的に結ばれている。

・介護現場の酷い有り様については、自分が実際に介護される身にならないと分からないと企業のトップとして自信満々に福祉事業のサービス設計に携わってきた女性を比喩的にターゲットにしており、営利目的で福祉サービスに携わることの限界まで併せて描写されていた。

・ただ、高齢者の救済を第一に考えて主人公というヘルプマンのロールモデルを動かしている内に、自分の生活のために仕方なく福祉業界で働く人たちの環境についての描写がやりがい搾取的におざなりにされ、ミクロな視点で主人公のようなプライベートを捧げて身を粉にする奉仕精神溢れた出来過ぎた人間にしかとても務まらないような福祉モデルをぶち上げているところや結局最後は地縁でありその人が積み上げてきた徳に頼らざるを得ないところにこの問題が含有するコミュニケーションの大切さとそれが意味するところの厳しさが表れていたと思う。

・それでも、精緻な取材と深い論考に基づいて製作された本作、効率を追い求める儲け主義でもなければ、単純に商店街的な温かみのあるネットワークを至上とする懐古主義的なあるいは家制度的なそこでもない、第三の道として福祉の事業化・サービス化を前向きに捉えているのは読んでいて勇気づけられるのである。
                 

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