ヘルプマン!10巻

                 
ヘルプマン!(10) (イブニングKC)

・介護福祉学生編の後半。百太郎に続いて神崎仁まで登場。二人はちゃらんぽらんだった専門学校生が孤独死をテーマに同じ団地内に住む高齢者たちとの交流を通して成長していくのを手助けし、介護士への情熱を漲らせていくように導くのだが、現実を知らない理想論を打ち砕いて地に足をつけながらもまた理想論へと収斂し、安っぽいヒューマニズムを否定しながらもまたベタなヒューマニズムへと着地するいつもの作りで、「未熟な」登場人物と共に読者まで高齢者に振り回され、つくづく高齢者と付き合うのは大変だと思わされる。

・高齢者と一口にいっても、一人の人間として皆それぞれ違うバックグラウンドを抱えている人生の偉大な先輩としてリスペクトされるべきであり、また我々の未来像でもあるということを真摯に考えながら向き合うべきだと主張されているのだが、結局はお前たちは高齢者の自尊心を傷つけてはならないが、高齢者がお前らの自尊心を傷つけることには寛容になれ、高齢者のことを理解し、手足となれという無限に寄り添い続けさせようとするだけの構成になっているのが辛い。

・そもそもその孤独死(作中では孤立死と言い換えられている)をさせてはいけないと気にかけてもらえる一人暮らしの偉大な高齢者様達は自身が若いころに同じように高齢者のサポートに骨身を削ってきたのかという疑問がわく。それが嫌だったから今の高齢者達はかつて「夢のニュータウン」と持て囃された若者だらけの活気ある団地に移り住んできたわけだろう。高齢者の夢を継続させてやるのが若者の夢だと無理に繕うから、却って教科書的になってしまっているのが残念な回だった。
                 

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