ヘルプマン!12巻

                 
ヘルプマン!(12) (イブニングKC)ヘルプマン!(12) (イブニングKC)

認知症編の続き。認知症になってあちこちでトラブルを起こし続ける蒲田喜久雄をどうするか、家族が右往左往するなか、蒲田のドラ息子と同棲している水商売の女性が喝を入れる。実はこの女性、百太郎、仁と並んで第三の主人公ともいえるポジションで百太郎の想い人でもあったあのみのりちゃんだった。介護の世界の厳しい現実に耐えられずドロップアウトしていた彼女は、かつての優等生のマドンナキャラとしての面影はなく、水商売の世界に身を投じ、タバコを吸いながら男と暮らし、気だるそうな表情を浮かべる刹那的な女性になっていた。水商売から介護や看護の世界に挑むというパターンは現実でもありそうだが、考えてみれば若いうちは逆があってもおかしくない。

蒲田のケースを通して認知症サポーター養成講座が紹介されており、認知症に対する認知と理解を多くの人々に深めてもらうことで蒲田の生活と容体が安定し、家族に笑みが戻るという状況と、水商売を辞めて再び介護の世界に戻ることを決めたみのりの姿を安易にリンクしてシンプルに理想論を振りかざすところが如何にもこの作品らしかった。面白いなあと思ったのは、蒲田のドラ息子と別れて百太郎のもとに向かったみのりが結局は蒲田の息子とよりを戻すというところで、この一連のエピソードが示すみのりというキャラクターが女性作者ならではのメンヘラ臭をうまい具合に醸していて、それがこの作品を支えているんじゃないかと思う。
                 

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