らせん (映画)

                 
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1998年の日本映画。
リングと同時公開されていた作品。後にリング2によってなかったことにされてしまうが、この『らせん』も一応リングの続編になっている。むしろ、原作により近いという意味ではこのらせんの方が続編としてしっくりくる内容ではある。
ただ、ホラー映画というよりも突拍子のないSF的な作りになっており、貞子の思惑と人間臭さをオープンにさせた上での哲学的な問いがメインになっているので、不気味さと呪いのビデオにあった迫り来る死に対しての恐怖はほとんどなかった。

佐藤浩市演じる主人公は、海の事故で息子を亡くしたことが心理に大きく影を落とした設定になっており、そこにリングの主要登場人物が絡み、主人公の心の動きを追いながらドラマが構成されている。
息子への執着という点で、リングの浅川と高山竜司と本作主人公は重ねられており、そこから高山と主人公、二人の親としての考え方の違いを主題として浮き彫りにさせながら、貞子の協力者になるまでの過程が綴られている。
貞子によって支配される世界であっても、息子を生き返らせてまた一緒に過ごしたいと切望する主人公と、自分の忌まわしい遺伝子をこんな世界に残すような残酷なことはできないという高山。貞子の増殖に対する思惑に重なるのは主人公の方だろうか。
その貞子に主人公は助けられ、希望を与えられた存在になっている。
結果的に世界が大きく変わろうとすること、息子(子ども)のためになら世界をも売り渡してしまう親の像について、皮肉的に描かれている。

ホラーの元凶とはまた違う意味で貞子が狂言回し的な存在なのは面白かったので、こういう路線で作られた、映画としてオリジナルのリング(らせん)シリーズがあってもいいのではないかと思った。リング0なんかはそれに近いのかもしれないが。
                 

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