劇場版 響け!ユーフォニアム ~北宇治高校吹奏楽部へようこそ~ (映画)

                 
劇場版 響け!ユーフォニアム~北宇治高校吹奏楽部へようこそ~ [Blu-ray]劇場版 響け!ユーフォニアム~北宇治高校吹奏楽部へようこそ~
吹奏楽部の活動を通してかけがえのないものを見つける少女たちを描いた青春TVアニメの劇場版。黄前久美子は中学3年の吹奏楽コンクールで見た高坂麗奈の涙を忘れられないでいた。高校に進学した久美子は加藤葉月たちに誘われて吹奏楽部に入部するが…。

2016年の日本のアニメ映画。TVアニメ『響け!ユーフォニアム』の劇場版。

内容はテレビアニメ版の13話分を100分程度に編集したもので、基本的には青春部活ムービーの路線でまとめられている。その中でも主に久美子と麗奈の関係性に焦点が絞られており、普段は凛とした麗奈が久美子だけに見せる「普通の高校生としての」感情を全面に出した表情などは短くまとめられた劇場版だからこその映え方であったように思う。

ただ、あすか先輩のミステリアスでドライな一面や夏紀先輩の吹奏楽にかける思いとナイーブさのバランスが取れない不器用さ、そして麗奈とソロパートを争う香織とその取り巻きとしての優子との関係性と北宇治高校吹奏楽部が抱える過去の問題やそれに絡む葵の退部などに対する描写が甘く、掘り下げがないので、見方によってはとても淡白にも感じ、ともすれば駄目な邦画のような凡庸な青春ムービーになりかけそうな危うさもある。

TVアニメ版ユーフォニアムという作品の面白さの一つは、それぞれの部員が持つバラバラな音楽への意識を全国大会出場という一つの目標に向けて高めていく過程で起こる様々な衝突と葛藤やアイロニーであって、その上で麗奈の音楽にかけるストイックな姿勢が報われているのであり、久美子と麗奈の距離感もそれが背景としてあるからこそ輝いていたのに、劇場版ではやや単純化され過ぎてしまっていて、それはそれで趣を感じなくもないのだけど、あまりにも毒気が抜けすぎており、見ていてどうもしっくりこないところがあった。

とはいえ、ダイジェスト版としてみれば概ね出来が良いと感じた。無難な作りなので、もっと大胆な編集の仕方をしてTVアニメとは全く違う切り口のものにチャレンジしてみても良かったのではないかという思いもしたが、それをするとたぶん久美子と葉月の秀一を巡る三角関係を延々と見せられるだろうからやっぱりこれで正解なのだろう。

失恋で終わる葉月と秀一の関係や麗奈と滝の教え子から教師への恋慕の情などが省かれているのは、尺の都合で中途半端にしか描けないと劇場版からユーフォの世界に入った観客に誤解を与えてしまうことへの配慮やテレビアニメ放送時の視聴者の感想や意見などに耳を傾けていることの現れだろうか。
                 

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