ぎやまん物語 (小説 北原亞以子)

                 
ぎやまん物語ぎやまん物語 (文春文庫)
秀吉への貢ぎ物としてポルトガルから渡来したぎやまんの手鏡が、於祢やお茶々、お江、尾形光琳や赤穂義士らの心模様を写し出す――。

ポルトガルから渡来したぎやまんの手鏡が様々な歴史上の重要人物の手へと移りながら彼らの浮かべる表情と背景の物語を読み解くという設定になっており、ねねから始まって茶々にお江、そして赤穂浪士などのエピソードが綴られている。しかし、どうにも俗っぽく、身近な場所で人間の素の一面を映し出す役割の角度から見ているので仕方ないのかもしれないとはいえ、色恋や枯れかかった女性の悲哀や嫉妬などワイドショーや昼ドラ的な視点で切り取られている感が否めない。

勿論、そういった話ばかりではないのだが、赤穂浪士などに比べて、ねねや茶々、そして側室を持つことを許さなかったお江に対する観察眼からは並々ならぬ情熱が伝わってくる。総じて同性には細かい部分まで厳しく見て、異性の弱い部分には甘いという女性作家のコンプレックスのようなものが表れており、それが良い方向に作用するのではなく、映像化したらお約束のように駄目な邦画の仲間入りをしてしまいそうな内容になってしまっているのが残念だった。
                 

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