着信アリ (映画)

                 
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ある日友人の携帯に届いた奇妙なメッセージ。それは3日後に訪れる死を知らせるメッセージだった…。柴崎コウ主演、原作は秋元康。そして監督には三池崇史が起用されている。

(引用 amazon 着信アリ(通常版・2枚組) [DVD]

2004年の日本映画。
死を予告する電話がかかってきた人物がその予告通りに死んでしまうというホラー。
現代社会に生きる我々にとって必需品になった携帯電話を題材にしている点がユニークで面白いものの、基本的なプロット自体は『リング』や『呪怨』などの日本を代表するホラー作品のオマージュに終始したような出来で、目新しさがない。

しかし、細かい点を気にしなければストーリーもよく練られたものになっていて、うまくまとめてあると思ったし、要所で刺激的なスプラッター映像を挿入したり、大袈裟に恐怖を演出してみせるなど娯楽性を常に意識して製作されている作品と感じた。

死を予告する電話の通りの未来への誘導の仕方はギミックとして楽しめた。
連鎖的に広がる死への恐怖から簡単に友達と縁を切ろうとする(携帯電話のアドレス帳から自分の電話番号を消してもらおうとする)人達については、ケータイ世代(若者)の繋がり方についての批判が加えられていて、そのケータイの繋がりの都合の良さに納得できないのが柴崎コウ演じる主人公であるが、彼女には親に虐待された過去があり、それが心に暗い影を落としていた。
同様に死の着信の元凶もまた家庭内の問題の被害者といえる存在であり、本作内でも示唆されていたが、「虐待が虐待を生む」がテーマにされており、ラストに「着信」の正体が美々子であることが明らかになり、彼女は主人公と一体化し、主人公とそれまで行動を伴にしてきた堤真一演じるパートナーの男性を刺す。
そして、彼女は代理ミュンヒハウゼン症候群のように、堤真一を傷つけてはそれを看護するという行為を繰り返していくという結末で幕を閉じる。
だが、これは美々子が柴崎コウ演じる主人公を乗っ取ったというよりも、主人公自身もまた「虐待が虐待を生む」のメッセージのもとに自ら美々子と一つになった、もう一人の美々子であるという見方ができる。
ケータイで繋がる「普通」に批判的な、もしくは馴染めない主人公自身が、不器用で、傷つけることでしかコミュニケーションを取れない問題児的な存在であるという表現であり、死を予告する電話の通りの未来への誘導のように、虐待加害者もまた、被害者であり、加害者へは自身の意識では抗え切れない強い力によってそうなっているのかもしれないという、コミュニケーションのあり方、難しさについて考えさせてくれる内容になっている。

世間での評判はあまり良くないようだが、これで邦画のホラーとしては上出来なレベルのクオリティなのではないかと個人的には思う。演技派の役者を揃えてあるのも好印象だった。
本作から始まる着信アリシリーズは残念なことにこの後、続編が出る度につまらなくなっていくのだが、シリーズ最初の本作『着信アリ』だけは佳作と推したい。
                 

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