女生徒 (小説 太宰治)

                 
女生徒 女生徒
「無頼派」「新戯作派」の破滅型作家を代表する昭和初期の小説家、太宰治の短編。初出は「文學界」[1939(昭和14)年]。5月1日の起床から就寝までの少女の一日を描いた話で、少女の心理の移り行く様を丹念に写し取っている。当時、文芸時評を担当していた川端康成は、「「女生徒」のやうな作品に出会へることは、時評家の偶然の幸福なのである」と賛辞を送った。

太宰治が女生徒の一人称視点を用いて一日の生活を綴った作品で、事ある毎に思索に耽る少女が取り留めもなく心境をコロコロと変えていくさまに読者としては振り回されてしまう。女性であることの葛藤を抱えながら、自身もまた同性である女性に対して厳しい視線を向けるなど、掴みどころのない人間の奥行きや心根の怖さが軽やか筆致の中で伝わってくる。何とも乙女チックでありながら人間の厄介さを少女の厄介さに落とし込み、ストーリーとして中性的に品よく描いてみせる様に太宰らしさと凄みを感じさせた。
                 

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