浦和学院VS済美 第85回選抜高校野球大会 決勝 (2013)

                 
浦和学院、優勝おめでとう!
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浦和学院 17 - 1 済美

関東では王者の風格を漂わせながらも、甲子園では前評判通りの結果を残せていなかった浦和学院が悲願の甲子園初優勝。安定した試合運びで勝ち続け、決勝でも優勝にふさわしい強さを見せてくれました。

一方、済美の安楽は最後に力尽きる。
今大会注目の選手だった済美の安楽、初戦からずっと一人でマウンドを守ってきた2年生エースが、決勝ではそれまでの戦いとは別人のように球に迫力がなく、浦和学院打線につかまってしまいました。
最後は蓄積した相当な疲労をごまかすことができませんでした。ここまで投げてきた球数、そして、試合の内容を考えれば、間に日を全く空けずに3連投となるスケジュールはあまりにも酷でしょう。

済美の上甲監督は、安楽に9失点するまでマウンドを任せましたが、それもあまりにも厳しいように映って、観ていて辛いシーンでした。非常に考えさせられる試合でしたが、この試合があって、今大会の安楽に付き纏った「高校野球の感動」というものが、如何に高校野球関係者とファンの残酷な感情によって作り上げられているのかが浮き彫りになり、自分のような素人でもわかりやすく問題点が見えました。

準決勝までの全ての試合が接戦で白熱しており、楽しいゲームで魅了し続け、今大会の主役のポジションを射止めた済美と安楽を主役たらしめたもの、それが純粋に野球の面白さだけではない、ストーリー性を追い求めた結果のものだったことに、我々は少しずつ反省していくべき時が来ているのかもしれません。

ただ、安楽が投手として無理をしていなければ済美は間違いなく決勝に進出できていないチームであることも今日の試合でわかりました。
準々決勝で済美と対戦した県岐阜商が、エースの藤田を交代させてたところで中継ぎ投手が打たれて逆転負けを喫しましたが、安楽を完投させて勝った済美とあまりにも対照的で象徴的でしたし、今日の決勝で安楽が交代してから更に集中打を浴びて失点を重ねたところでもそうでしたが、このチームは安楽という砦があってこそのチームでした。だからこそ、エースの必死の力投に応えた済美の勝負強いバッティングにも感動させられたものですが、最後に待っていた厳しい現実によって「やればできる」の魔法の合言葉から多くの高校野球ファンが醒めたのではないでしょうか。
それが、結果を追い求めて勝利至上主義で突き進んできた組織の体制があったからこそ、最後に「結果」として問題をわかりやすく捉えることが出来た、というのがとても皮肉的だと思いました。上甲監督のように、勝ちにこだわる執念の男だからこそ、安楽という若者が信頼を寄せ、怪物として甲子園で唸りを上げることができたという面を無視することが出来ないからです。

安楽という大きな夢を叶えてくれそうな高校生の将来性に自分のような素人ファンが勝手に期待して感情を重ねることもまたとても気持ちが悪く問題があるのかもしれませんが、いずれにせよ、これからの日本の野球の発展のためにも、高校野球が若者の夢を潰すものではなく、大きな手助けとなるものであり続けることを願います。
                 

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