俺の妹がこんなに可愛いわけがない。 第16話「俺の妹がこんなに可愛いわけがない。」 (アニメ)

                 
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春の朝、桜の咲く通学路を歩く京介は感慨深く卒業式へと向かう。学校でいつもの友人たちと会話を交わし、寂しさを感じながらも学校をあとにした京介を、桐乃は校門まで迎えに来ていた。桐乃といっしょに家路につく京介だったが、そんな二人の前にある人物が待ち構えていた。

とうとう最終話。卒業式を迎えた京介に最後の試練が待ち構えていた。それは麻奈実の存在で、今まで桐乃と麻奈実以外の全てのヒロインに告白され、その度に振ってきた京介に、麻奈実が挑戦をする。麻奈実は桐乃と殴り合いの喧嘩を繰り広げ、京介の目を覚ますために二人が「兄妹」であることを熱心に説く。桐乃と喧嘩しているようで、あくまでも麻奈実が見ているのは京介であり、普段の地味なキャラから一変、剥き出しの欲望をエネルギーにして闘争心に火を点けているその執着ぶりに今までの誰よりも麻奈実が本当に京介のことを想っていて、桐乃に負けないぐらい不器用であったのが伝わってきた。
桐乃さえいなければ京介はモテない平凡な男のままでずっと幼なじみの自分のそばにいてくれたはずという麻奈実の確信は過去に視聴者に対して伝えられてきたメッセージと重なるだけに、麻奈実にとっての心が乱れるほどの悔しさがあまりにも痛々しいものとして演出がなされたシーンになっている。この麻奈実の姿というのはもうひとつの違うルート、京介が麻奈実と結ばれる平凡なルートを辿っていた時の桐乃の姿であったともいえるのかもしれない。

結局、京介は桐乃を選ぶわけだが、二次元の世界に傾倒する二人であってもやはり実際に生きているのは現実世界、血のつながりは無視できない要素であるらしく、前もって卒業を迎えたら恋人の関係を解消して普通の兄妹に戻る約束をしていたらしい。二人は最後に教会で結婚式を挙げ、その後、普通の兄妹に戻る。もっとも、そのあたりは大人の事情を考慮したような展開のさせ方になっていて、二人の関係には含みを持たせたまま幕を閉じる。

そう予想できてはいたけど、それを本当にやってしまうところにこのシリーズの無茶に挑戦する勇気が、それをやってしまうことにより生み出される野暮ったさも含めて「らしさ」を最後まで感じさせてくれて良かったと思う。

一番立っているはずの桐乃のキャラが他のヒロインに比べると埋没しがちで、京介と共に視聴者である我々も他のキャラクターに心が移ってしまうような仕掛けばかりのラブコメのお約束のようだったが、そこに桐乃のギャップと不器用さを演出し、それをうまく「オタク」という属性の型に流し込むことで魅力的な「素顔」として表現しており、オタクであることをどこまでも肯定し、オタクへの肯定と人を好きになる感情の強引な結びつけをメタとベタを混ぜて描写しきっていたのは見事だった。

どうせここまでやるなら、個人的には京介が「普通の夫婦」となる相手は誰なのかまで明かして欲しかった気もするが……。そこは我々の想像に任せることで、消えていった桐乃以外のヒロインが再び輝きを取り戻す機会と、そして視聴者である「オタク」への制作サイドからの最後の救いになっているのだろう。
                 

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