勇者になれなかった俺はしぶしぶ就職を決意しました。 第9話 魔王の娘さんが貰った初任給の有効活用について。 (アニメ)

                 
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勇者になれなかったラウルは、しぶしぶ就職した家電店「マジックショップ・レオン王都店」の売上好調により特別手当の付いた給料をもらう。活気付くラウルたち。フィノにとっては初任給。使いみちを悩むフィノ。

フィノは初めてもらった給料を使うためにラウルとショッピングに出かける。今までもそうだったが、今回も二人の行動がかなりデートっぽく描かれ、軽快なテンポが給料をもらって浮かれる二人の気分とぴったり合ったラブコメチックな内容になっている。

しかし、話の最後では空気が一変し、フィノが暴漢に襲われて魔王になるように脅迫される。ラウルやアイリがそうであったように多くの勇者志望者達は魔王がいなくなったことでその夢が断たれたという背景を再び強調しており、新しい展開を予感させる。

これまでのこの作品で描かれてきた、ほどほどに発展したモラルある資本主義社会が勇者と魔王の共存と平和で穏やかな生活を保証するという牧歌的な労働賛美のノリを考えると、ラウルとフィノが勇者と魔王に分かれて戦ったり、許されない恋の話のようなシリアスな流れになることは考えにくいが、青春を勇者になることに費やした多くの名もない勇者志望者達は象徴的な意味での魔王がいなくなったことでヒーローもいなくなった本作の世界観に夢を奪われ、強制された平凡(現実)に馴染めず、苦しい生活に喘ぎ、表情を曇らせていくという描写は、これもまたもう一人のラウルのようでもあり、メタ的に視聴者である我々のようでもあり、誰もが抱えている人の哀しさのようでもあり、なかなかシビアであった。
                 

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